clife
〜クリフ〜
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真鍮の事
製品に使われる金属パーツには可能な限り真鍮製のパーツにメッキを施さず使用しております。
真鍮の変色は時間とともにどんどん進行していきます。また、手で触れると水分や油分で更に変化します。
真鍮の魅力をお伝えするため本来なら手を加えずお届けしたいのですが制作後の流通、店頭でのお取り扱い中の変色を防ぐためにコーティングを施しております。
真鍮製の金具は長時間放置されますと色濃く変色していきますが、使用による摩擦や布等で軽く拭いて頂くことで、真鍮特有のアンティークな優しく深みのある柔らかい輝きに変化してまいります。

革の事
clifeの製品に使用されている革は
ピットなめし製法で作られた革です。
古くは紀元前、ローマ時代から続く伝統的製法で
堅牢で型崩れしにくく、更に使う程に色濃く、
深い艶へ変化していきます。
革の表面を塗料で覆い隠したりラッカーでの艶出しをせず、
染料で染め、自然な質感と艶をだした革です。

この様な仕上げは
革本来の美しさを表す為。
薄化粧となり、隠す事が出来ないものも現れます。
牛が元気だった頃の傷あとや特有のシワもあったりします。
個体差や裁断箇所による質の違いもあります。

ご理解ください。



血筋は血管のあとで、革の表面に浮かんで見えます



スムースレザーと呼ばれる表面の滑らかな革ですが革の場所によっては皺が深く出ている場合があります。
特に牛の首部分は『ネック皺』と呼ばれる深い皺が出ます。




『治り傷』は牛が元気だった頃、有刺鉄線などで怪我をし治った痕。


この革の製法は革の表面を塗料で隠す事を行いません。
その自然な風合いこそこの革の魅力と考えております。

上の写真の様な血筋、皺、治り傷の他目立つ箇所は除けて裁断したり、製品の内側や目立たない場所に使用させて頂いておりますが、表面にも多少使用せざるを得ない事もあります。
希少な素材をなるべく廃棄せず大切に使用して行きたいと思っております。
どうぞご理解ください。


革の場所でも関節の付け根や腹の端の辺りに強度が不足する柔らかい場所があります。
その様な場所は製品には使用せず、試作品制作などで使用しております。





金具類には可能な限り国産の真鍮製のパーツをあえてメッキをせず使用してます。

真鍮製パーツを生地のまま使用する事により腐食に強く永く使え、更に革と同じく使用とともに変化を愉しむ事さえ出来ます。
美しく腐食に強い真鍮はアンティークの家具や古い船舶用パーツ等で、味わい深く丈夫な金属として知られております。
古くから人の暮らしの中になじんできた真鍮の金具。
美錠、カシメ、カラビナ他真鍮のパーツがclifeの製品にもアクセントとして輝きます。




ピットなめしとは革の製造方法の一つで、植物の渋『タンニン』を使用し、時間をかけてゆっくりとなめされる製法。

化学原料を使わず植物タンニンのみで製造された革は大変高価ですが、フルタンニンレザー、フルベジタブルタンニンレザーと呼ばれ、経年変化の美しい製品は世界中の多くの人に愛用されております。


植物タンニンを使用したなめしにも、タイコと呼ばれるドラム槽に原皮とタンニン液を入れて回転し、製造する『ドラムなめし』と、ピットと呼ばれる植物タンニンを含んだ水槽に漬け込んで製造する『ピットなめし』と呼ばれる製法があります。

ピットなめしは濃度の薄いタンニン槽から徐々に濃いタンニン槽へと原皮を移し、ゆっくりと時間をかけてタンニンを浸透さていきます。

ドラムなめしは繊維をほぐし強制的にタンニンを浸透させ短時間で革の製造が可能ですが、ピットなめしには非常に長い時間と手間がかかるために、タンナーと呼ばれるメーカーは徐々にその数を減らし、国内でも世界的にも大変希少な存在となっております。

ピットなめしには設備(場所)と手間暇(人、コスト)そして非常に長い時間が必要なため生産数を増やす事は困難です。その希少性も大きな魅力となっております。

この様な方法で革を作る理由は、この方法でしか出来ない優れた特徴があるからです。
ピットなめしの革は皮の繊維をほぐさず、原皮をあまり動かさずにじっくりと時間をかけてタンニンを浸透させていくため、堅牢で型崩れしにくい特徴を持ちます。



古くは紀元前、ローマ時代 ギリシャ時代から続く伝統的な製法で、木の樹皮など植物を原料とするためエコロジーで環境への負荷も少なく環境にも人にも優しい製法です。
手間を惜しまず、良い革を作る。
タンナーの思いがこもった姫路産ピットなめしレザーです。



植物の渋である植物タンニンでなめされた革の魅力はなんと言ってもその経年変化『エイジング』でしょう。
使用される方に徐々に馴染んでいき、日に当たれば日焼けをし、よく触れる部分は艶を増していきます。

短時間でなめす方法でなく、ゆっくり長い時間をかけて作られるピットなめしレザーは、堅牢で型崩れしにくく、更に使う程に色濃く、深い艶へ変化していきます。

この革で作られた製品は永く愛用する事で使う方に馴染み、更にその魅力を増していきます。
時間とともに『わたしだけの愛用品』へとなる事でしょう。


この革を製造するのは世界的にも数少ないピット製法を行う姫路のタンナーです。
日本でこの製法を守り続けてくれるとても大切な会社です。
この株式会社山陽が作る魅力的なこの革に惚れ込み使用しております。

革の質だけではなく、タンナーの技術と研究心、
勤勉さによる信頼でこの革を使う事になりました。

この革は私の染め方や仕上げ方の要求に応えて頂き、
試作を繰り返して完成しました。
心から納得出来た本当に美しい革です。


この革の制作にあたって、姫路へタンナー見学に伺いました。
戦前からのレンガ塀の残る、歴史を感じさせる施設で革が作られております。